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「えッ??医療費控除を申告するのに領収書が要らなくなるの!?」
「領収書の代わりに医療費のお知らせを提出するって…そんなもの無いよ!」
私は今年、手術を受けるのに入院したり、仕事で腰を痛めて通院したりしたために、薬局でもらった薬などの費用も含めると、支払った医療費がけっこうな金額になりました。
そこで、今年は医療費控除を受けようと思い準備していると、国税庁のホームページには、平成29年分の確定申告から医療費控除の提出書類が変わる…と出ているではありませんか!
ちょうど自分が申告しようとした年から方法が変わるなんて…と思いましたが、手間が省けて申告がしやすくなりそうなので、今回の改正点について、詳しく調べて整理してみました。
医療費控除の何がどう変わるの?
平成29年分の確定申告から医療費控除の提出書類が変わりました
- 平成29年分の確定申告から「医療費控除の明細書」を記入して提出をすれば、病院や薬局などの領収書を提出する必要がなくなります。
- 領収書の提出は不要になりますが、申告する医療費の領収書は、自宅で5年間保存しなければいけません。
- 「医療費控除の明細書」の代わりに、健康保険組合などが発行する「医療費のお知らせ」を医療費控除の申告のときに提出することができます
- 平成29年から平成31年までの分の医療費控除の申告は、「医療費控除の明細書」や「医療費のお知らせ」を提出する方法と、今まで通り領収書を提出する方法と、どちらの方法でも申告することができます。
領収書の提出が不要に
今まで、医療費控除の申告をするときには…病院に入院や通院をしたり、薬局で薬をもらったときの領収書を、確定申告の申告書と一緒に税務署に提出をしていました。
それが…なんと!
平成29年分(平成29年1月1日~平成29年12月31日)の確定申告からは、申告のときに医療費の領収書を税務署に提出、提示しなくてよくなります!
「医療費控除の明細書」という書類に、支払先(病院名や薬局名)や支払った金額などの項目を記入して提出すれば、個別の領収書を提出する必要がなくなるからです。
この「医療費控除の明細書」は国税庁のホームページからダウンロードするか、税務署でもらうことができます。
参考 国税庁ホームページ国税庁
「医療費控除の明細書」には、
- 医療を受けた人の氏名
- 支払先の名称(病院名、薬局名など)
- 医療費の区分(該当するものにチェック)
- 支払った医療費の金額
- 生命保険や共済、社会保険などから保険金や給付金をもらっている場合は、その金額
について記入します。
「明細書」を記入するときは、1回の支払ごとに記入する必要はなく「医療を受けた人ごと」に分けて「支払い先ごと」に合計した金額で記入することができます。
- 同じ支払先(同じ病院や薬局)のものは、支払った金額をすべて足して、合計額を記入します。
- 自分が支払った家族の分の医療費を一緒に申告するときは「その人ごと」にわけて、同じ支払先のものを合計して記入します。
また…
- 加入している生命保険や損害保険、共済などから支払われた「保険金」「給付金」
- 健康保険から支給された「高額療養費」
などがある場合は、その金額を記入します。控除額を計算するときに、支払った医療費から差し引きします。
この「生命保険などから補てんされる金額」は、補てんの対象になった治療や手術、入院の支払い額からのみ差し引きをします(全体の医療費からの差し引きではありません)。
確定申告の医療費控除!保険金をもらった場合はどうする?
また「医療費控除の明細書」には、医療費控除を受けるのに申告するもの(医療費控除の対象になるもの)をすべて記入します。
- 病院などで診療や治療を受けたときの医療費
- 病院などで処方された薬の代金
- 介護保険を利用している場合の自己負担分
- 治療や療養のために購入した風邪薬など市販薬の代金
- 病院に通院したときの交通費(電車、バスなどの公共交通機関)
などです。
確定申告の医療費控除!この交通費は対象になる?ならない?
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領収書は5年間保存!
平成29年分の申告から「医療費控除の明細書」を記入して提出すれば、病院や薬局などの個別の領収書は提出する必要がなくなります。
領収書の提出は不要になりますが、医療費の領収書が無くても医療費控除を受けられるということではなく、申告した分の領収書は、確定申告の期限から「5年間」自宅に保存しておかなければいけません。
確定申告の期限から「5年間」は、もしも税務署が必要だと判断すれば「医療費控除の申告の内容について確認させてください」という連絡が入り、申告した分の医療費の領収書を税務署に提出、提示しなければいけなくなる場合があります。
医療費控除を申告したら必ず確認が入るというわけではありません。どのようなケースだと確認が入ることになるのかは税務署の判断なので、なんとも言えないところですが…
もしも申告した分の領収書が無い場合、税務署から指摘されて「修正申告」をする…なんていうことになる可能性もあります。
ですので、病院や薬局などの領収書はもらってきたらとっておくのはもちろんですが、医療費控除の申告が終わったあとも、「5年間」保存しておかなければいけません。
医療費控除を申告して、税務署で書類を受け付けると「申告書の控え」を渡してくれるので、医療費の領収書と一緒にしておきましょう。
領収書は、のり付けして整理したりしなくてもよいので、わかりやすいように「申告書の控え」と一緒に封筒などに入れ保存しておくとよいと思います。
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「医療費のお知らせ」が「医療費控除の明細書」の代わりになる!
平成29年分の確定申告からは、申告のときに「医療費控除の明細書」を記入して提出すれば医療費の領収書の提出が不要になります。
ですが…
もしも、健康保険組合が発行する「医療費のお知らせ」があれば、これを「医療費控除の明細書」の代わりに提出することができます。
「医療費のお知らせ」は健康保険組合などが発行している書類で、年に1回から数回、定期的に送られてくるものです。
健康保険を使って診療を受けたり、処方された薬をもらった分について、
- 診療を受けた人(被保険者本人、被扶養者など)
- 診療などを受けた日
- 医療機関名等
- 支払額
などが一覧で出ているので、いつ、どこの医療機関で受診して、支払った医療費がいくらだったか等がわかります。
東京都杉並区 国民健康保険 医療費通知書の見本
医療費控除の申告に「医療費のお知らせ」を提出するときは、「医療費控除の明細書」の「1」の欄に「医療費のお知らせ」に記載されている金額を記入して一緒にするだけで済みます。
明細の欄に、支払先(医療機関名等)や支払金額などを記入する手間が省けるので便利なのですが、注意しておきたい点がいくつかあります。
健康保険(組合)によって違いがある
「医療費のお知らせ」は一律でどこも同じように発行されているわけではなく、加入している健康保険(組合)によって取り扱いに違いがあります。
- ほとんどの健康保険(組合)が加入している人全員を対象に発行していますが、国民健康保険(市町村が管轄)のなかには、、一定以上の医療費がかかった(例えば3か月間に10万円以上など)人のみを対象に「お知らせ」を発行しているところがあります。
- 国民健康保険の場合、加入している市町村では「医療費のお知らせ」が全員対象で発行されているかどうかなどについて、市町村のホームページか役所の健康保険課などに問い合わせて調べましょう。
- 申請すれば再発行してくれる健康保険(組合)と、再発行はしてもらえない健康保険(組合)があります。
- ホームページからダウンロードが可能なところ、郵送や社内での配布などの対応のみのところなど、健康保険(組合)によって発行、発送の方法に違いがあります。
今回「医療費のお知らせ」が確定申告の提出書類として使えるようになったのにともなって、今後は全員を対象に発行する、再発行に対応するなど、取扱いが変わってくる可能性があります。
対象期間と発送時期に違いがある
1月から6月分を9月、7月から12月分を翌年3月というように年2回発送するところ、前年の11月から当年の10月分を1月に発送するところなど、対象になっている期間と発送される時期が健康保険(組合)によって違います。
ですので、加入している健康保険(組合)と申告しようとする時期によっては、手元にある「医療費のお知らせ」が1月から12月の分までそろわないということがあり得ます。
例えば、中小企業が加入している「協会けんぽ」の場合では…
前々年の10月から前年の9月までの分が2月に「医療費のお知らせ」として発行されます。
この場合「医療費のお知らせ」を提出して医療費控除を申告しようとすると、10月から12月の分は次の年の2月にならないと「医療費のお知らせ」が届かないということになります。
では、どのようにすればいいのでしょうか?
- 1月から9月までの分は「医療費のお知らせ」があるので、10月から12月の分について「医療費控除の明細書」の「2」の明細欄に記入して提出、申告します。
医療費控除は申告期限が5年間あるので、来年の2月まで申告するのを待って、次に送られてくる「医療費のお知らせ」とあわせて2回分を提出する、という方法もありますが…
医療費控除の申告を次の年まで待った場合、還付金が戻ってくるのもその分後になりますし、申告を忘れたり書類を失くさないとも限らないので、「医療費のお知らせ」が無い期間の分は「医療費控除の明細書」の明細欄に記入、提出して申告を済ませてしまいましょう。
健康保険の対象以外の医療費は「医療費控除の明細書」に記入
「医療費のお知らせ」を提出すれば「医療費控除の明細書」の明細欄を記入する手間が省けますが、「医療費のお知らせ」は健康保険を使った分の医療費しか出ていませんので、
- 介護保険の自己負担分
- 病院に通院した際の交通費
- 治療などのために買った市販薬の代金
- 健康保険で扶養になっていない家族の医療費で自分が負担した分
などを一緒に申告する場には、この分については「医療費控除の明細書」の「2」の明細欄を記入して提出することになります。
「お知らせ」に出ている分は領収書がなくても大丈夫
「医療費控除の明細書」の代わりに「医療費のお知らせ」を提出することができますが、この「医療費のお知らせ」に載っている医療費については、「税務署が領収書の提出や提示を求めることができない」ことになっています。
「医療費のお知らせ」は、実際に健康保険を使って受けた診療や処方された薬などの医療費を、健康保険(組合)が一覧にしたものなので、一番確かといえば確かです。
「提出や提示を求めることができない」から「医療費の領収書は無くていい」ということではありませんが、「お知らせ」に出ている医療費については、税務署が保存期間の5年の間に領収書を確認することはない…ということになります。
今までは「医療費のお知らせ」は医療費控除で提出する書類として認められていなかったので、申告のときに医療費の領収書がまったく無いということになると、医療費控除を受けるのが難しかったのが実際のところです。
平成29年分からは「医療費のお知らせ」が画定申告の提出書類になったので、「領収書を失くしてしまった!」とか「捨てちゃったよ!」という人も、医療費控除の申告を受けるチャンスがあるということになります。
また、医療費の領収書も「医療費のお知らせ」も両方とも見当たらないという人でも、加入している健康保険(組合)が再発行やダウンロードに対応してくれているところであれば、あらためて「医療費のお知らせ」を取り寄せて申告することも可能です。
「医療費のお知らせ」を提出した場合でも、医療費の領収書があることに越したことはないので、手元にあるものはとりあえず「5年間」保存をしておきましょう。
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平成31年分の申告までは領収書を提出でもOK
「医療費のお知らせを捨ててしまったかも!」
「領収書を整理してあるから、このまま提出する方法ではダメなの?」
心配はいりません!
平成29年分の医療費控除の申告から「医療費控除の明細書」か「医療費のお知らせ」を提出すれば、領収書の提出は不要になりますが、
平成29年分から31年分までは…
- 「医療費控除の明細書」か「医療費のお知らせ」を提出する
- 平成28年分までと同じように医療費の領収書を提出する
どちらの方法でも申告できることになっています。
そして、平成32年分の医療費控除の申告からは、すべて領収書を提出する方法に代わって「医療費控除の明細書」または「医療費のお知らせ」を提出する方法になります。
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今後はさらに手続きなどが変わっていく?
平成29年分から、医療費控除の添付書類の取り扱いが変わり、今までは提出書類として認められていなかった「医療費のお知らせ」が使えるようになったので、確定申告の準備もしやすくなりました。
今後は健康保険がマイナンバーと本格的に連携するようになり(2018年7月予定)、医療費控除の申告の方法などがさらに変わることも考えられます。
税金に関する手続きは少し面倒に感じるところもありますが、申告しない限り税金は還付されないので、「医療費のお知らせ」の利用、申告書のダウンロード、郵送での提出など、なるべく手間を省くようにすると良いと思います。
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