子供が扶養から外れる!手続きはどうする?時期は?

 

「あの子が就職したということは…?」

「あれ!?扶養から外れるんだよな?」

 

子供が就職、社会人の門出のお祝いをしたり、入社と同時に実家を離れることになるので引越しの準備などでバタバタしていたけど…子供が扶養から外れることに気がついた!

 

ところが…

「何をどうすればいいの?」

手続きで忘れているものはないよね?」

そんなことが気になったり、間に合うのかと心配になったりしますよね。

 

そこで、子供が扶養から外れるための手続きはどうすればいいのか、手続きのタイミングなどについてまとめてみました。

 

扶養控除の手続き

 

今までは親の扶養に入っていて、所得税の計算上で「扶養親族」に入っているので、就職した年からは「扶養親族」を一人分減らさなければいけません。

 

サラリーマンなど給与所得の人

 

サラリーマンやパート、アルバイトなど給与所得の人は、「扶養控除等申告書」(年末調整のときに提出してるアノ書類です)を勤務先に提出します。

 

総務や人事など給与関係の事務を担当している部署に「子供が扶養から抜けるので」とか「扶養家族の異動があるので」と連絡をすれば送って(渡して)くれます。

 

この「扶養控除等申告書」は年末調整のときに、会社によっては、翌年用の申告書も前もって提出するところもあると思います。

 

会社によって、年末調整のときに提出してある今年の分の「申告書」を渡されるところ、新しい申告書の用紙を渡されるところとありますが、どちらの場合も「Bの控除対象扶養親族」のところの「異動月日及び事由」の欄に「〇月〇日(いつから)」「就職のため(扶養を外れる理由)」が、担当の人にわかるように書かれていれば大丈夫です。

 

 

この「扶養控除等申告書」を提出する時期としては…

  • 子供が就職する前後に提出(4月に就職するとすれば3月~4月)するのが、タイミングとしてわかりやすいと思います。
  • ですが、忘れていて4月を過ぎてから提出したとしても大丈夫です。

 

最終的には…

  • 年末調整のときに今年の分の「扶養控除等申告書」に記入して提出すれば、子供が扶養から外れることになります。

 

子供を扶養から外すために「扶養控除等申告書」を提出すると、出す時期によって、12月まで毎月の給料で天引きされる所得税の額と、年末調整のときの「源泉徴収税額」の金額が違ってきます。

 

ですが…

最終的には金額的に大きい小さいという差や、どちらが得とか損ということもありません。

 

サラリーマンなど給与所得の人は、「給与所得の源泉税額表」というもので毎月の所得税の金額が計算されています。

 

「扶養控除等申告書」が提出されると、会社では翌月の給料から、扶養親族が一人少なくなった計算で所得税を天引きします。

 

 

扶養が一人分多く計算されている月数が少なければ、その分、年末調整のときに控除される税金は少なくなります。

 

年末調整のときに、就職した子供を扶養から外して「扶養控除等申告書」を提出した場合は、子供が扶養親族の人数に含まれた計算で毎月の所得税が計算されてきているので、年末調整で控除される所得税の金額が大きくなります。

 

自営業など確定申告している人

 

自営業などで確定申告をしている人は「扶養控除等申告書」のような書類の提出はないので、確定申告のときに子供を扶養から外すことになります。

 

翌年の確定申告のときに…

  • 「確定申告書A」の第二表で⑭の扶養控除の欄に就職した子供の分を記入しない

 

 

  • 扶養控除は就職した子供の分を減らして計算し金額を記入

 

 

という形で確定申告書を提出すれば、子供が扶養から外れて所得税が計算されることになります。

 

住民税の手続きは?

 

子供が就職した年の分の年末調整や確定申告で、子供が扶養から外れるように申告をしていれば、住民税については特に書類を出すなどの必要はありません。

年末調整や確定申告が済めば、給与所得の人は会社から、事業所得など確定申告をした人は税務署から、その人の市町村に年間の収入や所得の金額が報告されます。

 

この報告をもとに市町村の方で、扶養が一人抜けた金額で住民税が計算されるからです。

 

また、住民税のみの申告の対象になる人の場合は、住民税の申告書の「扶養親族の欄」に子供を記入せず、扶養控除の金額欄で扶養親族の人数を減らして記入します(所得税の確定申告の場合の記入と一緒です)。

 

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健康保険の手続き

 

子供が就職して扶養から外れる場合に手続が必要なものとして、もう一つ、健康保険があります。

 

健康保険の手続は、税金上の扶養の場合よりも少し注意が必要です。

 

というのは、原則的に手続きの期限が決められていたり、手続きを忘れていて保険証がそのままになっていることで面倒なことになることもあるからです。

 

健康保険(組合)の手続き

 

サラリーマンなど会社で健康保険(組合)に入っている人は、総務や人事などに連絡をして、「子供が扶養から抜けるので手続きをしたい」と連絡をすれば、「異動届」という用紙が送られ(手渡され)てきます。

 

この異動届の「異動の区分」という欄の「削除」や「取消」にしるしをして異動の年月日を記入します。

 

異動の年月日は、子供が就職した会社で健康保険に加入することになった日です。

 

たいていは「入社日=健康保険の加入日」になると思いますが、一応、念のため本人に確認しておくとよいと思います。

 

協会けんぽの「異動届」

 

この「異動届」と子供の分の保険証を一緒に提出すれば手続きは完了です。

 

手続の期限は「何日以内に…」とはっきり書かれていない場合が多いのですが、「健康保険から脱退することになったときから、なるべく速やかに」となっていますので、子供が就職したら早めに手続きをしておきましょう。

 

国民健康保険の手続

 

自営業の人など国民健康保険に加入している人は、市町村の窓口で「異動届」をもらうか、ホームページからダウンロードして記入して提出します。

 

郵送での提出も可能ですし、市町村によっては電子申請が可能なところもあります。

 

「異動届」の書類は市町村によって様式が違いますが、記入する内容は同じです。

 

さいたま市 国民健康保険「異動届」

 

氏名や生年月日、「異動事由」「異動年月日」「マイナンバー」などを記入して提出します。

 

国民健康保険の場合、健康保険(組合)よりも提出書類が少し多くなります。

 

本人が窓口に行って手続きする場合は…

  • 「異動届」
  • 本人の国民健康保険証
  • 就職した会社で加入した健康保険証
  • 本人が確認できる身分証明書
  • 世帯主のマイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード
  • 本人のマイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード

 

 

郵送の場合は

  • 「異動届」
  • 本人の国民健康保険証
  • 就職した会社で加入した健康保険証のコピー
  • 世帯主の本人確認ができる書類(マイナンバーカード、運転免許証など)のコピー
  • 世帯主のマイナンバーがわかるもの(マイナンバーカード、マイナンバーの通知カード)のコピー
  • 本人のマイナンバーがわかるもの(マイナンバーカード、マイナンバーの通知カード)のコピー

となります。

 

マイナンバーカード、通知カードについては、

  • 必要書類にあげていない市町村
  • 世帯主の分だけが必要としている市町村
  • 世帯主と本人の分の両方が必要としている

があるので、手続きの際には住んでいる国民健康保険の担当課などに確認することをおすすめします。

 

国民健康保険から子供の扶養を外す場合には、「国民健康保険をやめることになった日(就職先で健康保険に加入した日)から14日以内」に届け出をするのが決まりになっています。

 

14日を過ぎてしまった場合には、一応、市町村の国民健康保険の担当課に電話で連絡をしてから手続きするようにしましょう。

 

子供が就職したら!健康保険の手続きはいつする?どうする?

 

健康保険の手続は注意が必要

 

健康保険(組合)、国民健康保険ともにですが、入社した直後などで保険証が出来上がってこないときなどに、ついうっかり、それまで使っていた保険証を使わないように注意しましょう。

 

扶養を外す手続きをしていなくても、新しい健康保険に加入していると前の保険証は使える資格がなくなっているので、治療費をいったん全額立て替えるなど、面倒なことになるからです。

 

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その他の手続は?

 

会社によっては「家族手当」があって、18歳まで、22歳まで、就学中などの条件で子供の分の手当てが支給されているところがあります。

 

会社の方で手当の期限がくれば自動的に支給を止めるところもありますが、届け出の用紙が必要な場合もあるので忘れないように確認しましょう。

 

年金については子供の扶養は関係がないので、本人が20歳以上であれば国民年金手帳を持っているはずですので、入社の手続きのときに忘れずに提出できるように確認しておくとよいと思います。

サラリーマンやパート、アルバイトなどの給与所得の人は、子供を扶養から外す手続きについて会社で連絡をすれば、税金の扶養控除や健康保険、各種手当がある場合には手当の支給についての手続書類もすべて一緒に送って(手渡して)くれるので、一度に済みます。

 

自営業の人は、税金上の手続きは確定申告で、国民健康保険の手続は市町村の窓口で、と自分でそれぞれ手続が必要になります。

 

子供が就職したタイミングで「扶養の手続きは…?」と思い出すことが多いと思いますが、税金や保険料に関わることなので、多少時期がずれたとしても漏れのないように手続きを済ませましょう。

 

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