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医療費の支払いが多かった年があったけれど、過去の分の医療費控除を申告できることを知らなかったので、そのままにしていた…。
とか、
医療費の領収書が見当たらないので医療費控除の申告をあきらめていたら、今頃になって出てきた…。
なんていうことはありあませんか?
そのままにしているのは…もったいない!
「還付金」が戻ってくる機会を逃しているかもしれません!
過去の分の医療費控除は「5年前まで」さかのぼって申告することができます。
支払った医療費がどんなにまとまった金額だったとしても、自分で医療費控除を申告をしない限り「還付金」が戻ってくることはありません。
この記事では、過去の分の医療費控除について…
- 何年前までの分が申告できるのか?
- 申告の期限はいつまで?
- 医療費控除を申告するときの必要書類
- 提出書類で注意する点
などについてまとめてみました。
過去の医療費は何年前の分まで申告できるの?
けっこう医療費がかかった年があったので、医療費控除の申告をしようと思っていたけれど、領収書が見当たらなくてそのままになっていた…
とか
過去の医療費控除も医療費控除が受けられることは知らなかったけど、領収書はとっておいてあるので、今からでも間に合うのなら申告したい!
というような場合、
過去の医療費をさかのぼって申告するには、
- サラリーマンやパート、アルバイトなどの給与所得の人は「還付申告」
- 個人事業主の人などで確定申告をしている人は「更正の請求」
という手続きをします。
「還付申告」も「更正の請求」も、手続きの書類は申告の期限から5年間提出することができることになっています。
過去の分の医療費の申告の期限はいつまで?
過去の医療費は5年前までの分について申告をすることができます。
では、いつまでに申告すればいいのでしょうか?
過去の医療費を申告できる期限は、「年末調整」を受けているサラリーマンやパート、アルバイトの人と、「確定申告」をしている個人事業主などの人では少し違います。
会社員やパート、アルバイトなど「年末調整」を受けている人
会社員やパート、アルバイトなど「年末調整」を受けている人が、過去の分の医療費控除を申告するためには「還付申告」をします。
「還付申告」は、医療費控除を受けようとする年(医療費を払った年)の「翌年の1月1日から5年間」は提出することができます。
ですので、医療費を払った年から5年後の12月31日までが申告の期限になります。
医療費を払った年 | 申告の期限 |
平成25年(2013年) | 平成30年12月31日まで |
平成26年(2014年) | 2019年12月31日まで |
平成27年(2015年) | 2020年12月31日まで |
平成28年(2016年) | 2021年12月31日まで |
平成29年(2017年) | 2022年12月31日まで |
平成30年(2018年) | 2023年12月31日まで |
還付申告書は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。
国税庁ホームページ
個人事業主など「確定申告」を受けている人
自営で事業をしている人など「確定申告」をしている人が過去の分の医療費控除を受けるためには「更正の請求」という手続きをします。
「更正の請求」は、医療費控除を受けようとする年(医療費を払った年)の確定申告の申告期限(翌年の3月15日)から5年間、提出することができます。
ですので、医療費を払った年の次の年から5年目の3月15日までが申告の期限になります。
医療費を払った年 | 申告の期限 |
---|---|
平成25年(2013年) | 2019年3月15日まで |
平成26年(2014年) | 2020年3月15日まで |
平成27年(2015年) | 2021年3月15日まで |
平成28年(2016年) | 2022年3月15日まで |
平成29年(2017年) | 2023年3月15日まで |
平成30年(2018年) | 2024年3月15日まで |
(平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について)更正の請求ができる期間が法定申告期限から原則として5年に延長されました。
国税庁ホームページ
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過去の医療費を何年分かまとめて合算できる?
医療費控除の金額は
(実際に支払った医療費-保険金などで補てんされる金額)-10万円※
※総所得金額が200円未満の人は「総所得金額×5%」
で計算した金額を申告します。
では、もしも…
- 3年前の医療費の領収書が8万円分
- 4年前の医療費がが6万円分
あった場合、この2年分の医療費を合算するとして医療費控除を受けることはできるのでしょうか?
2年分を合わせれば10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を超えていますが…
医療費控除として申告できるのは、あくまでも、それぞれ1年間の医療費が10万円以上(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を超えた分についてです。
医療費控除の申告に必要な書類は?
過去の分の医療費控除についてまとめてみると…
- 過去5年までの分が申告できる
- 5年前の分は、還付申告をする人(年末調整をした人)と更正の請求(確定申告をした人)をする人では、提出の期限が違うので注意が必要!
- 数年分を合算して申告はできない。あくまでも、それぞれの年で10万円を超えた分(所得200万円未満の人は5%を超えた分)が申告できる金額
ということになります。
医療費の領収書がそろったら金額を計算して、いよいよ書類の作成です。
「確定申告書」「更正の請求書」「添付書類台紙」などの書類は…
- 税務署にいってもらう
- 国税庁のホームページからダウンロードしてプリントする
- 税務署に連絡して郵送してもらう
などの方法で用意することができます。
還付申告をする人の必要書類
会社員やパート、アルバイトなど「年末調整」を受けている人は、過去の分の医療控除を受けるのに「還付申告」をしますが、その必要書類はつぎの通りです。
- 確定申告書(A)
- 添付書類台紙…源泉徴収票を貼ります
- (医療費を払った年の)源泉徴収票
- 本人確認書類(写)添付台紙…平成28年分の申告から
- 本人確認書類…マイナンバーカードのコピーまたは通知カードと各種証明書のコピー
- 医療費の領収書
です。
還付申告の場合は、医療費控除を申告するする年(医療費を払った年)の分の「源泉徴収票」を申告書と一緒に提出するので、会社で再発行してもらって用意しましょう。
確定申告書(A)
更正の請求をする人の必要書類
自営で事業をしている人など「確定申告」をしている人は、過去の分の医療費控除を受けるのに「更正の請求」をしますが、必要書類はつぎの通りです。
- 更正の請求書
- (医療費を払った年の)確定申告書の控え
- 本人確認書類(写)添付台紙…平成28年分の申告から
- 本人確認書類…マイナンバーカードのコピーまたは通知カードと各種証明書のコピー(平成28年分の申告から)
- 医療費の領収書
です。
更正の請求書
「確定申告書の控え(医療費を払った年の分)」は提出しませんが、更正の請求書に所得の金額などを記入するのに必要になります。
「控え」が見当たらない場合は、税務署で閲覧するか開示請求の手続きをして送ってもらうようにしましょう。
平成28年分からマイナンバーの記入が必要
平成28年(2016年)1月からマイナンバー制度の運用が始まっているので、平成28年分からは「確定申告書」「更正の請求書」にマイナンバーの記入が必要になりました。
そして申告書や請求書と一緒に「本人確認書類の写し」を提出しなければいけません。
「本人確認書類の写し」は…
- マイナンバーカードのコピー(表と裏の両方)
または
- マイナンバーの通知カードのコピー
またはマイナンバーが出ている住民票のコピー
のどちらかと…
運転免許証、パスポート、医療保険の被保険者証などの書類のうち一つのコピー
このどちらかを「本人確認書類(写)添付台紙」に貼って申告書や請求書と一緒に提出します。
「本人確認書類(写)添付台紙」
※「本人確認書類(写)添付台紙」は税務署でもらうか国税庁のホームページからもダウンロードすることができます。
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平成29年分の医療費控除から医療費の領収書の提出が不要に
還付申告や更正の請求によって医療費控除を受ける場合、平成29年分から医療費の領収書の取り扱いが変わっているので注意しましょう。
医療費控除の領収書が不要に!?申告の提出書類が変わった?
平成28年分までの医療費控除をうける場合
平成28年分までの分の医療費控除を受ける場合には、確定申告書や更正の請求書と一緒に医療費の領収書の提出または提示が必要になります。
- 領収書は紙に貼って整理したりする必要はないので、そのままで大丈夫です
- 医療費の領収書の枚数が多い場合や通院したときの交通費を申告する場合などは、「医療費の明細書」を記入して一緒に提出しましょう
- 窓口で申告する場合、領収書はそのまま提出しても提示して確認してもらい持ちかえる、どちらの方法でもかまいません
- 郵送で申告書や請求書を提出する場合、医療費の領収書を返却してほしいときは宛先を書いた返信用の封筒に切手を貼って、「領収書の返却を希望する」内容のメモを同封しましょう
医療費の明細書
※「医療費の明細書」は税務署でもらうか国税庁のホームページからもダウンロードすることができます。
平成29年分以降の医療費控除を受ける場合
平成29年分から医療費控除を申告するときに、医療費の領収書の提出または提示が不要になりました。
- 医療費の領収書の提出、提示しないかわりに、医療費を支払った病院名や薬局名、支払った金額などを記入した「医療費控除の明細書」を提出します
- 「医療費控除の明細書」を記入するかわりに、健康保険組合が発行した「医療費のお知らせ」を提出することもできます
- 確定申告書や更正の請求書を提出するときに、医療費の領収書を提出、提示する必要ありませんが、自宅などで5年間保存をしなければいけません
- 医療費控除を申告した内容について、税務署から問い合わせがあった場合には提示しなければいけません
- 平成31年分の医療費控除までは、平成28年分までと同じように医療費の領収書を提出、提示して申告することも可能です。
医療費控除の明細書
※「医療費控除の明細書」は税務署でもらうか国税庁のホームページからもダウンロードすることができます。
過去の分の医療費控除の提出方法は?
「還付申告の確定申告書」や「更正の請求書」の作成が終わったら、添付する書類などを確認して、いよいよ過去の分の医療費控除の書類を提出します。
申告書、請求書は税務署に直接出しに行く、郵送する、電子申告で提出するなどの方法があります。
- 窓口に提出
税務署の開庁日(月~金曜 8:30~17:00) ※土日祝と年末年始(12/29~1/3)は休み
- 夜間収受箱
税務署の閉庁日でも提出できる
- 郵送
提出期限内の消印有効
- e-tax(電子申告)
確定申告の期間中は24時間可能 ※通常の時期は月~金曜(祝祭日と12/29~1/3を除く)の8:30~24:00
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わからないことは税務署に相談
「税務署というと数字の漏れがないか厳しくチェックされたりして…」なんて勝手にイメージしてしまいますが…
税務署では申告や書類の作成の仕方について、わかりやすく説明をしてもらえます。
医療費控除の内容について、確定申告書、更正の請求書の記入についてなど、わかりにくい点がある時には、税務署の窓口のほか電話でも対応してもらえるので相談してみましょう。
領収書や本人確認書類などの必要書類を持って行って、教えてもらいながら作成することも可能です。
過去の分の医療費控除を申告して、その年の所得の金額が下がれば、その分にかかっていた所得税が還付金として戻ってきます。
実は過去の分の医療費控除を申告して戻ってくるのは所得税だけではなく、住民税も「過誤納金」として還付されます。
医療費控除を受けると住民税は還付されるの?いつ頃戻る?
過去の分で医療費控除を申告していないものがある場合には、「5年」まではさかのぼることができるので期限に注意して忘れずに申告しましょう。
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