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「もし戦争になったら入っている保険はどうなるの?」
「戦争になった場合、保険には免責というものがあって保険金は支払われないはず…」
休みの日に我が家の食卓では、テレビのニュースを見ながら、こんな会話が交わされていました。
ひと昔前なら、「日本が戦争になったら保険はどうなるか?」なんて話を家でするようになるなんて考えられませんでした。
交通事故や病気で、自分に万が一のことがあったときのために…と思って入った生命保険ですが、まさか戦争の心配までしなきゃいけないことになろうとは…。
「核兵器を搭載したミサイルが、日本に撃ち込まれるかもしれない!?」
信じたくはありませんが、全くあり得ないという雰囲気でもないので、本当に恐ろしい話です…。
そこで、もしも戦争の犠牲になってしまったら保険金は支払われるのか?免責でも払われたことはないのか?などについて、調べてみました。
戦争になったら保険は払われない?
もしも日本が戦争に巻き込まれてしまい、その犠牲になって亡くなった場合に、生命保険の保険金は支払われるのでしょうか?
戦争によって死亡した場合は、「免責事由(保険金が支払われない場合)」というものに該当するので「保険金」は支払われません。
生命保険も損害保険でも、保険には「約款(やっかん)」というものがあり、契約や保障の内容について細かく取り決めが書かれています。
そして約款の中に、保険金が支払われない場合(免責事由)の一つとして、「戦争による場合」があげられています。
ただし…
「被害の程度にもよります」というのが正確なところです。
免責事由の説明のところには…
「ただし、その程度によっては全額または一部を受け取れる場合があります。」
とか、
「戦争その他の変乱によって支払事由に該当した被保険者の数の増加が保険の計算の基礎に影響を及ぼすときは保険金を削減して支払うことがあります。」
と書かれているからです。
戦争による場合なので、正直どのくらいの被害なら一部なり全額支払は可能で、どのくらいの被害になったら全額支払えなくなるかは、事前にはわかりません。
ただ…
一説には、核兵器を搭載した北朝鮮のミサイルが、通勤ラッシュの時間帯の山手線内のエリアに着弾した場合、100万人以上の犠牲者が出る…なんてという試算もあるようです。
恐ろしい話ですが、爆心地に近いところは建物も人も跡形もない…という状況でしょうから、亡くなったかどうかの特定さえ難しいということになりそうです。
またインフラ機能や建物の被害も甚大で、核兵器による被害ということを考えると、時間の経過とともに犠牲者はさらに増えてしまう恐れもあります。
そうなると約款の免責事由にあるとおり、保険金の支払いは難しいということになるのではないでしょうか。仮に支払いになるとしても、決定から実際の支払いまで、時間がかかるかもしれません。
仮に発射されたミサイルを上空で迎撃したことによって破片などが落下した場合などは、犠牲者の数も違ってくるので、保険金の一部または全部が払われる、という可能性があります。
日本が戦争に巻き込まれるなんて…考えたくもない話ですが、保険金がどうなるかは被害の状況によるということになります。
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免責でも支払いになったこともある?
「保険金が支払われない場合」ということで、保険会社が「免責事由」にあげている場合でも、保険金が支払いになったケースはあるのでしょうか?
日本が戦争になった場合ということでは、日清戦争、日露戦争、太平洋戦争の時には、保険金が支払われています。
また戦争とは違いますが、被害の規模がとても大きかった「東日本大震災」では、免責を適用せずに保険金が支払いになっています。
生命保険には、「災害死亡保険金」といって事故などの災害で亡くなった場合に保障を上積みして支払う内容のものがありますが、免責事由として「地震、噴火または津波」が入っています。
東日本大震災のときには、各生命保険会社が「災害死亡の保障」がついている契約に免責を適用しないと決定して「災害死亡保険金」が支払われました。
「保険の計算の基礎に影響を及ぼす」ような出来事としては、大正7年から9年にかけて全世界で大流行した「スペイン風邪」があります。
日本でも人口の4割にあたる「約2,400万人」がかかり、39万人の人が亡くなり、当時の保険会社の経営に影響するくらいの死亡率だったようですが、このときも保険金が支払いになっています。
戦争による被害は「免責」になっていますが、保険金がまったく支払われないということではなく、過去には支払われた例もあり、あまり想像したくありませんが、被害の状況によって決まるということになります。
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火災保険や車の保険は?
戦争になってしまって犠牲になった場合の保険金の支払いも気掛かりですが、自宅や車に掛けている損害保険の方はどうなのでしょうか?
日本が戦争になって自分に万が一のことがあった場合に、まずは自分の生命保険の保険金が支払われるかどうかが心配ですが、命は無事だったけど、ミサイルの攻撃を受けて自宅や車が一瞬にして消失してしまった…そんなときに火災保険や車両保険から保険金はでるのか?ということも気掛かりなところです。
自動車保険、車両保険では、「保険金をお支払いできない場合」として…
「地震、噴火、津波、戦争、外国の武力行使、暴動、核燃料物質などによって生じた損害」 と約款に書かれています。
火災保険も…
「戦争、内乱、その他これらに類似の事変または暴力」などは、保険金が支払われない場合と書かれています。
「戦争」だけではなく「外国の武力行使」まで含まれていて、損害保険の方が一歩踏み込んで書かれてありますね。
そして「一部」とか「減額して」支払うというようなことは、書かれていません。
戦争による被害ではありませんが、福島第一原発の事故によって、放射能汚染の被害を受けてしまった車は、「核燃料物質などによって生じた損害」ということで、車両保険の免責事由にあてはまるので、保険金の支払いにはなりませんでした。
東日本大震災ではかなりの数の車が水没したり、流されてしまいましたが、「地震、津波」による免責ということで、車両保険の対象にはなりませんでした(地震用の特約がついていれば別ですが…)。
このような例から考えると…
仮に日本にミサイルが撃ち込まれたことによって、自宅が消失したり、車が破壊されてしまったとしても、受けた被害は免責事由にあてはまるので、火災保険や車両保険の補償の対象外で保険金は支払いにならないということになります。
被害の件数や規模よっては支払うこともあるとは書かれていないので、「都心のど真ん中にミサイルが着弾…」した場合のような被害の規模ではなかったとしても、保険金を減額したり一部が支払いになるということも無いでしょう。
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戦争でも払ってくれる保険はある?
「外国から一方的に攻撃されて被害にあっても、保険金が出ないかもしれないんじゃ、意味ないじゃん。」
「それなら、戦争の場合でも保険金が出る保険ってないの?」
なんていう話にもなりそうですが、残念ながら戦争の場合でも免責にならずに100%保険金が支払われる生命保険(損害保険も)はありません。
生命保険は、年齢別、男女別に実際の死亡率や平均余命がでている「生命表」というもののデータをもとに保険料を計算しています。
この「生命表」の死亡率には、当然のことながら「戦争によって死亡した場合」や「核ミサイルが日本に撃ち込まれて死亡した場合」の死亡率は含まれていません。
想定も計算のしようもないので、戦争の場合の死亡も100%保障するという生命保険は、商品として作りようがないということですね。
日本が戦争に巻き込まれて被害に遭うかもしれない、という危険性は以前よりも高まってきているかもしれませんが、生命保険の保障の目的はそれだけではありません。
交通事故に遭ったり、急性の病気で亡くなる危険など、戦争以外の危険の方がはるかに対象の範囲が広いので、戦争の場合に保険金が出ないから保険をやめるとか、入らないというのは本来の保険の目的からずれてしまいます。
私は以前、生命保険会社に勤務していました。
保険に加入していただくお客さんへの説明や、営業マンとして入社してきた社員の研修など、いろいろな場面で「保険金が支払われない場合=免責」の説明をする機会がありました。
そのころは、「地震や津波の場合」については以前に支払いになったケースの話などもしましたが、「戦争」についてはまったくの想定外で「免責です」の一言で済んでいましたし、質問をされることもありませんでした…。
それが今だったら「日本が直接攻撃された場合は?」とか「核ミサイルが撃ち込まれたら?」なんていう場合も織りまぜながら、説明しなきゃいけないのかもしれませんね。
「日本が戦争になったら保険金はどうなるのだろう…」などという心配をしないで済むような世界情勢、アジア情勢であることを祈るばかりです。
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