年末調整の保険料控除!配偶者の分も受けられる?

 

私が入っている生命保険、あなたの年末調整で保険料控除を受けられないの?

 

どうなんだろう?僕の保険じゃなくても大丈夫なのかな?

 

旦那さんの扶養の範囲に入っていると、年末調整では保険料控除を使わずじまい…ということも多いのではないでしょうか?

 

それなら…

 

奥さんあてに届いた生命保険の保険料控除証明書を、旦那さんの年末調整で使うことはできないものでしょうか?

 

夫婦だし同じ家計で生活しているんだから問題はないのでは?」とも思うし、「でも入っているのは旦那さんではなくて奥さん」だし…。

 

良いような、ダメなような…判断に迷うところですね。

 

配偶者(奥さん)が契約者になっている分の保険でも、旦那さんの年末調整で保険料控除を受けることはできますよ!

 

ただし旦那さんの年末調整で、配偶者(奥さん)が入っている分の契約の保険料控除を受けるためには、満たさなければいけない条件があるのです。

 

また、将来、受け取る保険金や年金にかかる税金に違いが出てくる場合もあるので、後々のことも考える必要があります。

 

この記事では、年末調整の保険料控除で配偶者の分の保険の控除を受けることができる場合の条件、税金面で気をつけておきたい点などについてまとめてみました。

 

保険料控除の対象になる契約かどうか?

 

年末調整の保険料控除を受けるためには、その保険の契約が満たしていなければいけない要件があります。

 

「生命保険料控除」「介護医療保険控除」で保険料控除の対象になるのは、

  • 保険金受取人が契約者かあるいは配偶者、その他の親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)
    になっている契約であること

です。

 

生命保険料控除の対象となる保険契約等

対象となる保険契約等の主なものは(中略)保険金等の受取人の全てをその保険料等の払込みをする方又はその配偶者その他の親族とするものをいいます。

 

国税庁ホームページより

 

保険金の受取人になっているのが、本人や配偶者、一定の範囲の中の家族、親族になっているかどうか、ということになります。

 

保険金の受取人が誰になっているかが要件になっていますが、契約者が誰かは要件になっていないので、奥さんが契約者になっている契約もご主人の年末調整で保険料控除を受けることができる、ということになります。

 

「個人年金保険」で個人年金保険料控除の対象になるのは、

  • 「個人年金保険料税制適格特約」が付いている契約

です。

 

「個人年金保険料税制適格特約」というのは

  • 年金の受取人が契約者または配偶者
  • 年金の受取人が被保険者と同一人
  • 保険料の払込期間が10年以上
  • 年金の種類が確定年金や有期年金の場合は、年金の受取開始が60歳以降で、年金の受取期間が10年以上

という要件にあてはまる契約です。

 

対象となる個人年金保険契約等

「新個人年金保険料」(平成24年1月1日以後に締結した保険契約)

(イ)年金の受取人は、保険料若しくは掛金の払込みをする者、又はその配偶者となっている契約であること。
(ロ)保険料等は、年金の支払を受けるまでに10年以上の期間にわたって、定期に支払う契約であること。
(ハ)年金の支払は、年金受取人の年齢が原則として満60歳になってから支払うとされている10年以上の定期又は終身の年金であること。

(注)被保険者等の重度の障害を原因として年金の支払いを開始する10年以上の定期年金又は終身年金であるものも対象となります。

「旧個人年金保険料」(平成23年12月31日以前に締結した保険契約)

上記の(イ)(ロ)(ハ)の要件を満たしている契約

 

国税庁ホームページより

 

参考 国税庁ホームページ国税庁

 

実は…自分の入っている契約が保険料控除の要件にあてはまるかどうかは、わざわざ調べなくても大丈夫です。

 

保険会社から届いた「保険料控除証明書」に出ている契約であれば、この要件は満たしています。要件を満たしていない契約が控除証明書に出ていることはないからです。

 

年末調整で控除を受ける人が保険料を払っている

 

年末調整で保険料控除を受けるためには、もう一つ大事な要件があります。

 

それは、

  • 納税者(ここでは年末調整を受ける人)が保険料を払っていること

です。

生命保険料控除の概要

納税者が生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを生命保険料控除といいます。

 

国税庁ホームページより

 

年末調整の保険料控除で、奥さんが契約者になっている保険を申告するためには、

  1. さきほどの一つ目の要件、「保険控除の対象になる契約」の要件を満たしている
  2. 保険料をご主人(年末調整を受ける本人)が払っていること

が必要になります。

 

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この「保険料を払っていること」ですが、

  • ご主人の口座から引き落しになっている
  • ご主人の給料から天引きになっている

など「払っている」のがはっきりわかる必要があります。

 

ですので、奥さんの名義の口座から保険料が引き落とされている場合は、ご主人の年末調整で保険料控除を申告することはできませんので注意が必要です。

 

また、口座からの引き落としになっている場合はご主人が「払っている」ことがわかるように、年末調整の書類と一緒に通帳のコピー(引き落としの記録)を出すようにしましょう。

 

保険料控除の限度額をチェックしよう

 

奥さんが入っている保険が

  • 保険料控除の対象となる契約の要件(=受取人の要件)を満たしている
  • 申告する本人(年末調整を受ける人=ご主人)が保険料を払っている

 

この二つの要件を満たしていれば、ご主人の年末調整で保険料控除を受けることができます

 

ですが、ひとつチェックしておきたいことがあります。

 

それは、ご主人の「保険料控除の限度額」が一杯ではないかどうかです。

 

年末調整の生命保険料控除は、一年間に払った保険料の金額によって控除される金額が決まっています。

 

適用される保険料控除の金額には限度額があるので、控除証明書を出せば出した分だけ控除されるということにはなりません。

 

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生命保険料控除は、平成24年以降に契約した分『新保険料』と、平成23年以前に契約した分『旧保険料』に分けて計算します。

 

『新保険料』も『旧保険料』も、それぞれ年間に支払った保険料によって控除される限度額が決まっています。

 

『新契約』の限度額 
新生命保険料
控除

 

それぞれ最高
4万円まで控除
(保険料8万円超)

合計で12万円
  まで控除

 

介護医療
 
保険料控除
新個人年金
保険料控除
 『旧契約』の限度額 
生命保険料
控除

 それぞれ最高
5万円まで控除
(保険料10万円超)

合計で10万円
まで控除

個人年金
保険料控除

「生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」で新契約と旧契約の両方がある場合は、それぞれ新旧あわせて「4万円」まで。

 

もしも、ご主人が自分の保険で限度額まで控除を受けている場合には、奥さんの分の保険の保険料を申告しても控除額は変わりません。

 

ご主人の生命保険料控除が限度額に足りていない場合は、奥さんの分の保険料を申告すれば、その分、申告する所得が少なくなって還付される税金が増える効果があるということになります。

 

ご主人の年末調整で保険料控除を受けようと思う保険が、

  • 「生命保険料控除」「医療介護保険料控除」「個人年金保険料控除」の、どの対象の保険か?
  • 「旧契約」か「新契約」か?
  • 旦那さんのそれぞれの控除の限度額は一杯ではないか?

をチェックしてみましょう。

 

将来かかってくる税金のことも検討しよう

 

奥さんの分の保険の保険料を、ご主人の年末調整で保険料控除を申告して控除額が増えれば、還付金も増えるので嬉しいことですよね。

 

ただし、還付される税金のことだけではなくて、将来受け取る保険金などにかかる税金にも影響があることも考えに入れて検討するようにしましょう。

 

奥さんが契約者になっている保険の保険料がご主人の口座から引き落とされている場合、旦那さんの年末調整で保険料控除を申告することができます。

 

ところが…

 

この場合、将来、保険金や年金が支払われることになったり、解約して返戻金を受け取ることになったような場合に、保険金や年金、返戻金などにかかる税金の種類が変わってくる可能性があるのです。

 

 

例えば、

契約者:奥さん

被保険者:奥さん

満期保険金受取人:奥さん

という養老保険の保険料をご主人の口座から引き落としていたとします。

 

保険料を払っているのはご主人なので、ご主人の年末調整で保険料控除を受けることができます。

 

ですが、保険が満期になって奥さんが満期保険金を受け取るときに、

  • 奥さんが自分で保険料を支払ってきた場合は、一時所得として所得税の対象
  • ご主人の口座から引落されていた場合は、契約者が奥さんだったとしても実質的に保険料を払っていたのはご主人ということになり、受け取る満期保険金は贈与税の対象。

ということになります。

 

また、

契約者:奥さん

被保険者:奥さん

年金受取人:奥さん

という個人年金保険(税制適格特約がついたもの)で、年金が支払い開始になったときに受けとる年金は、

  • 奥さんが自分で保険料を払ってきた場合、受け取る年金は雑所得の対象
  • ご主人の口座から引落されていた場合は、契約者が奥さんだったとしても実質的に保険料を払っていたのはご主人ということになり、受け取る年金は贈与税の対象。

ということになります。

 

一時所得に比べると贈与税はかかる税率が高いので…

 

「保険料控除で還付金が増えた!」と喜んでいたら、後から受け取る保険金や年金に高い税率の税金がかかってしまった…と後悔するなんてことにもなりかねません。

 

この点をよく考えて、奥さんが自分で保険料を払っている形になるように自分の名義の口座から引き落とすようにして、ご主人の年末調整で控除を受けるのはやめる、ことも一つの選択肢です

 

配偶者の分の保険で保険料控除を受ける場合のまとめ

 

毎年のこととはいえ、年末調整の書類はわかりにくかったり面倒だったりしますが、十分にチェックしながら記入しましょう。

 

ご主人の年末調整の保険料控除で、奥さんの分の保険を申告する場合のポイントを整理しておきたいと思います。

 

チェックしよう!
  • 保険金の受取人は誰か?
    受取人が保険料を払う本人または配偶者、その他の親族になっている契約か?
  • 保険料を払っているのは誰か?
    年末調整を受ける本人が保険料を負担しているか?(本人の名義の口座からの引き落としなど、明確になっているか?)
  • 控除の限度額   
     本人の分の控除額はどのくらいか?すでに限度額がいっぱいではないか?
  • 課税関係     
     将来、受け取ることになる保険金や年金、解約返戻金にかかる税金の種類が違ってくることになることもよく検討する

です。

 

普段、保険のことについてじっくり話をする機会は、意外と少ないかもしれません。

 

奥さんの分の保険をご主人の保険料控除で申告するかどうかの検討をきっかけに、

  • 保険料を誰が支払っているか
  • 保険金や年金の受取人は誰か
  • 保険料控除の限度額はどうなっているか

などとあわせて、必要な保障が足りているか、重複している保障がないかなど、保険についての点検をしてみる機会にすることをお勧めします。

 

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