入院の時の差額ベッド代!確定申告で医療費控除の対象になる?

 

差額ベッド代、は対象なのかな?」

「よく分からないから調べてみてよ!」

 

姉から電話がかかってきて、「確定申告で医療費控除を受けるのに、差額ベッド代は対象になるかならないか」を聞かれました。

 

姉は今年の春、原付バイクで買い物に出かけた際に運転を誤って転倒、大けがをしてしまいました。

 

すぐに、救急車で病院に運ばれたのですが、その時に一般病室がいっぱいで、一週間ほど個室に入っていたのです。

 

入院費や治療費がけっこうかかったので、確定申告の準備を始めたのですが、知人から差額ベッド代は医療費控除の対象外では?」と言われたらしく、私に電話してきたのです。

 

私は以前に、自分で医療費控除の申告したことがあるので、わかるだろうと思ったのだそうです。

 

今まで何度か、自分で医療費控除を申告したことはあるのですが、実は「差額ベッド代」については詳しくわからなかったので、調べてみることにしました。

 

医療費控除の対象になる場合

 

病気やけがなどの治療のためにかかった医療費や、購入した医薬品の費用などは、医療費控として申告することができます。

 

ただし、予防接種のように控除の対象にならないものもあります。

 

私は、「差額ベッド代」も必要最低限のものではないので、控除の対象にならないだろうと思っていました。

 

実は、病院に入院した際の差額ベッド代は、

  • 本人や家族の都合で、個室に入院したときなどは対象にならない

けれど

  • 治療や手術、入院が急がれる状態や、他に病室の空きがないなどの事情個室に入院したときなどは対象になる

というように、利用することになった理由や状況によって、対象になる場合、ならない場合が分かれているのです。

 

差額ベッド代の基準

 1.1病室4床以下

 2.面積が一人当たり6.4㎡以上

 3.ベッドごとにプライバシーを
   確保する設備

 4.個人用の私物収納設備・証明
   ・小机・椅子の設置

 

姉の場合は、事故の知らせを受けて家族がかけつけ、病院の説明をうけてすぐに入院の手続きをとりました。

 

病院では、その時「病室の空きがないので」と言われて、個室に入ることになりました。

 

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また病院によっては、もともと病室が個室のみなど、入院するには差額ベッド代が必ず必要になるところもあります。

 

「差額ベッド代」は、患者や家族から希望して利用する場合をのぞいて、医療費控除の対象なります。

 

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差額ベッド代そのものが不要なケースも?

 

ところが!

 

差額ベッド代が確定申告の医療費控除の対象になるかどうかを調べていたら、実はもうひとつ大事なことがわかりました。

 

それは個室などに入院しても、差額ベッド代発生しないケースがあるということです。

 

実は「差額ベッド代」について、厚生労働省 から「請求してはいけない場合」ということで、通達が出されているのです。

 

厚生労働省の通達では…

  • 患者や家族から、同意書による同意の確認を行っていない場合
  • 「治療上の必要」により、差額ベッド室に入院した場合
  • 病棟管理の必要性(院内感染の恐れ)等から、差額ベッド室に入院させた場合

などは、病院が差額ベッド代を請求してはいけない、となっています。

 

ただ実際には、病室に空きがない場合でも 差額ベッド代がかかることが、けっこうあります。

 

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実際のケースでは?

 

厚生労働省から出されている通達の通りだと、患者の方から希望しない限りは、入院しても「差額ベッド代」がほとんどかからないことになります。

 

実際には、6人部屋などの大部屋はすでに いっぱいで、入院するには差額ベッド代が必要な部屋しか空いていない、ということがけっこうあります。

 

そして通達の通りにはいかず、差額ベッド代 がかかることになる「同意書」の提出求められます。

 

同意できないという場合には、「他の病院への入院」を促されて、暗に入院を断わられたりするケースがあります。

 

仮に大部屋を希望しても、入院するまでに順番を待たなければならず、すぐに必要な治療や処置が受けられません。

 

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姉の場合もそうでしたが、すぐに入院するには、このように「同意書」の提出が避けられず、「差額ベッド代」が発生することになるのです。

 

 

平均的な1日あたりの差額ベッド代

          1人部屋  7,563円

          2人部屋  3,065円

          3人部屋  2,812円

          4人部屋  2,346円

           平均    5,918円

厚生労働省 
第282回中央社会保険医療協議会
より

 

※あくまでも平均の金額で、地域や病院によっても差はあるとは思いますが、実際には「この金額よりも、もっとかかる」というのが正直な感想です。

 

入院する時には、

  • 費用については、なるべく抑えるよう にしたいという希望を伝える
  • 手術の同意書なども含め、書類関係 の説明はよく聞いて、不明な点は確認する

ようにすることも大切です。

 

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医療費控除を申告する

 

国税庁の通達などでは、

「本人や家族の都合だけで個室に入院したときなどの差額ベッドの料金は、医療費控除の対象にならない

となっています。

 

実際に私の姉の場合のように、

  • 入院する際に、大部屋に空きがない言われて、差額ベッド代がかかる病室に入ることになった
  • そのときに、差額ベッド代が必要になることについて、病院から「同意書」求めれて提出した

このような場合、差額ベッド代は医療費控除として認められるのでしょうか?

 

また、そのような事情があって「差額ベッド 代が必要な病室に入ることになった」場合に、そのことを証明する書類などは必要なのでしょうか?

 

ネットのQ&Aで見てみると、「同意書」提出していると医療費控除は受けられない、と書かれていたり、「入る必要性」を診断書に書いてもらった方がよい、という回答を見たりします。

 

このあたりがはっきりしないと、姉の差額ベッド代が医療費控除に申告できるかどうかわからないので、税務署に行って、直接聞いてみました。

 

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すると…

  • 差額ベッド代がかかる病室に入ることになった必要性などを証明する書類や、診断書に一筆書いてもらうなどの必要はない
  • 大部屋の空きがなく個室などに入院することになり、「同意書」を提出していて も、医療費控除は受けられる
  • 申告のときに、その「差額ベッド代」は 病院から言われて入ることになったものであることを言ってくれればよい

ということでした。

 

「差額ベッド代」が医療費控除の対象にならないのは、

  • 他の人と一緒の部屋は嫌だ
  • 相場屋は落ち着かないから

など、あくまでも自分や家族から希望して、「差額ベッド代」の必要な病室に入った場合、ということでした。

 

今回、姉から頼まれて調べてみましたが、無事に、医療控除で差額ベッド代を申告することができて、一件落着!しました。

 

税金の関係のことはけっこう難しく、書いてあることを読んだだけではわかりにくいことも多かったりします。

 

ですが、医療費控除などは「還付金」が戻る、戻らないに関わることなので、わからない時には、直接、相談や質問に行くことも大切と感じた次第です。

 

※追記
平成29年分の確定申告から医療費控除の提出書類が変わり、医療費の領収書は提出、提示が不要になりました(自宅で5年間保存する必要があります)。

 

医療費控除の領収書が不要に!?申告の提出書類が変わった?

 

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