相続税改正の対策はどうする?今回、対象になりそうなケースとは?

 

平成25年度の税制改正で、平成27年1月1日から相続税が大きく変わります。

 

基礎控除が今の金額の6割に引き下げられ、最高税率も50%から55%に引き上げになります。

 

今回の相続税改正前は、相続税を払った人の割合は100人に4人でした。

 

これが今回の改正で、100人に6人が相続税を払うことになるとみられています。

 

今まで、相続税などはまったく関係がないと思っていた人でも、実際に相続が起きてみて、びっくりする結果になりかねません。

 

今回の改正で、相続税への対策が必要なのはどのようなケースか、また、どのような対策があるのかなどについて調べてみました。

 

キーは都市部にある一戸建ての自宅?

 

一口に相続といっても、相続する財産の金額や内容、相続する人の人数や構成によって様々です。

 

今までは相続税など無縁と考えていたけれど、今回の改正から対象になりそうなケース考えてみましょう。

 

  • 『東京、名古屋、大阪などの地価の高い地区自宅など、一戸建ての自宅がある。』
    三大都市圏では、地価が上昇する傾向にあり、相続税の算出のもとになる、
    路線価」も、以前より、上昇する可能性があります。この『路線価』と、土地の坪数によっては、自宅の土地だけで、基礎控除の額を超えるような、ケースも十分あり得ます。

 

  • そして、配偶者の税額軽減の特例が使えない『二次相続』である。

 

  • かつ、相続人の人数が少ない

 

こういうケースは、相続税の対策を考えた方がよいでしょう。

 

二世帯住宅にして住む

 

二次相続が起きた場合に、相続人である子供が以前から同居していて、小規模宅地の特例受けられるのと受けられないとのとでは、課税価格が大きく違います。

 

母親が住んでいた自宅の土地を相続する場合、評価額が8,000万円とすると、子供が同居していなかった場合は、8,000万円が、そのまま課税価格になります。

 

子供が相続の前から、一緒に住んでいて相続後も住むのであれば、小規模宅地の特例が適用になります。

 

改正になった相続税法では、330㎡までであれば課税価格が80%減額になりますので、課税価格は8,000万円×20%=1,600万円になり、基礎控除の範囲内になります。

 

建てなおす、または改築などが必要となると資金が必要になりますが、手直しが不要な場合も含めて「節税の効果」は大きいといえます。

 

自宅のリースバックを検討してみる

 

次に、相続することになる財産が一戸建ての自宅で、他に現金や預金などはあまり無い、自宅の評価額だけで相続税の基礎控除を超えてしまいそうだというケースの対策です。

 

相続人となる子供がすでに持ち家があるなど、その土地を相続しても、そこに住んだり所有するつもりが無いという場合には、『リースバック』という方法も考えられます。

 

 

自宅の『リースバック』は、不動産業者に自宅を売却、住む期間をあらかじめ決めて、リース契約を結んで売却した自宅に住み続けるという方法です。

 

売却した代金から家賃(リース料)を確保して、残りの資金で預金や生命保険などのかたちで相続した際の納税資金にできるようにします。

 

生命保険を活用する

 

相続人が、現金や預貯金など納税する額を用意できているとは限らないので、相続する側、される側ともに納税資金について考えておく必要があります。

 

相続財産の中に、現金や預貯金などがあれば、それを納税資金にできますが、税金面を考えて生命保険を活用することも検討しましょう。

 

契約者、被保険者(生命保険に加入する人)が被相続人、死亡保険金の受取人が相続人、という形の生命保険契約では、支払われる死亡保険金は相続税の対象になります。

 

この場合の死亡保険金は、税法上『みなし相続財産』として扱われ、500万円×法定相続人の人数までは相続税が非課税となります。

 

預貯金や現金は、自宅の土地などと合わせて相続税の基礎控除を超えた分は課税の対象になりますが、死亡保険金の非課税分は別枠です。

 

 

とはいえ、生命保険は加入する人の健康状態加入できない場合もあるので、この点がネックになります。

 

一般的には、一生涯の死亡保障がある終身保険相続対策に選ばれていますが、加入するには医師の診査や健康状態の告知が必要です。

 

もし健康状態に不安がある場合には、通常、職業の告知のみで加入できる『投資型年金』という保険も選択肢として考えられます。

 

ただし『投資型年金』は死亡保障がある期間限りがあるので、被相続人の年齢などを事前に検討、相談することが必要です。

 

相続対策の相談は総合的な観点で

 

現在、有効な対策でも税法が改正されれば、対策そのものの見直しが必要になることもあります。

 

また、相続税の対象になる財産がどのくらいかによっても、必要な対策の手段も変わります。

 

相続対策は不動産や保険など一つの手段ではなく、必要に応じて、いくつかを組み合わせて行うことが多くなります。

 

そして、それぞれの対策の効果、デメリットなどを検討して、相続する財産全体について総合的に判断することも必要です。

 

また税金面の対策だけではなく、相続がいわゆる『争続』とならないように、対策を考えることも大切です。

 

相続がいつ発生するか、こればかりは誰にも決めることはできません。

 

相続が起きてからでは、対策の施しようがありません。

 

対策には、長期的な視点で、税金面、法律的な問題、不動産や保険などについての中立的なアドバイス、税制が変わった時の対応などが必要です

 

相続対策を考える上では、総合的な観点でワンストップで相談ができるファイナンシャル・プランナーや税理士法人、税理士事務所などを選ぶとよいと思います。

 

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